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ニュース 2009年11月13日更新

私的録音録画補償金制度に関する合同記者会見を開催、
「あらためて、補償金制度の適正な見直しについて」と題する声明を発表しました。

2009年11月10日(火)千駄ヶ谷・津田ホール

 11月10日、社団法人私的録画補償金管理協会(SARVH)は、9月30日の補償金支払い期限に補償金の納付が無かったことから、2月の発売開始から 3月末日までに出荷された、「アナログチューナーを搭載していない」デジタル放送専用DVD録画機器への私的録画補償金相当額の支払いを、東芝に求める訴訟を東京地方裁判所に提起しました。
 これを受けて、同日、Culture First推進91団体は、今年2月の記者会見に続き、約9ヶ月ぶりに、合同記者会見を開催して「あらためて、補償金制度の適正な見直しについて」と題する声明文を発表。SARVHの提訴を全面的に支持するとともに、意見表明を行い、「文化庁私的録音録画小委員会を空中分解させ、話し合いに応じていないのは、権利者ではなく、メーカーであり、時間切れと既成事実化による私的録音録画補償金制度の廃止を目指すものだ」と主張。法治国家の一員としての現行法令遵守、コンプライアンスをメーカーに求めるとともに、さらにEUをはじめとする諸外国とわが国の実状を比較し、私的録音録画補償金制度のもつ文化的意義についても改めて言及、冷静な話し合いの再開を求めました。
 会見には、芸団協・実演家著作隣接権センター(CPRA)の椎名和夫運営委員、日本音楽著作権協会(JASRAC)の菅原瑞夫常務理事、日本映画製作者連盟の華頂尚隆事務局長が出席しました。

 声明文では、(1)「私的録音録画補償金制度はもはや廃止すべきである」といった、一部のメーカー、役所、消費者団体の方々に対して、「コンテンツの作り手側」のこうむる被害は決して小さなものではなく、文化庁において4年越しで続けられてきた私的録画補償金制度の見直しの議論は、決着しないまま現在は議論が中断した状態となっている。
 また、(2)そうした中にあって本年4月、株式会社東芝、パナソニック株式会社の2社は、私的録画補償金を管理する「私的録画補償金管理協会」(SARVH)に対して、「従来行ってきた補償金徴収に関する協力を当該機種について今後は行わない」と通告してきました。このような通告を容認した場合、2011年に地上波放送がアナログからデジタルへと完全移行する時点で、たとえ「私的録音録画補償金制度の見直し」に関する議論が決着しなくとも、事実上、私的録画補償金制度が機能を停止することを意味しています。
 さらに、(3)そもそも、ダビング10導入を決めた総務省情報通信審議会第四次中間答申においては、その緩和にあたって「クリエータへの対価の還元」が前提となることが明言されており、その話し合いの席には、これらの2社も参加して、答申に合意した事実があります。
 (4)制度の見直しの議論が決着していない現段階にあっては、現行制度を自らの主張に沿う形に変更できるわけもありません。それを「補償金徴収に協力しない」ことを以って、半ば強引に既成事実化しようという2社の姿勢は、法の遵守という観点からも大きな問題があると考えております。SARVHは、こうした2社の通告に困惑し、当該機種が現行制度の対象であるか否かについて、法を所管する文化庁に問い合わせを行いましたが、この9月8日、文化庁から現行制度の対象に該当する旨の回答を得ています。ところがその文化庁見解を撤回すべきだとの主張が、メーカーのみならず、主婦連合会やインターネットユーザー協会によっても行われるところとなり、われわれはさらに大きな驚きと失望を覚えております。制度の見直しに関する議論が中断している現在、何よりも必要なのは、実力行使で問題を解決しようとすることではなく、私的複製に関する利害の対立について、いったいどのような形で解決することができるのか?という観点から相互理解を得るための真摯な話し合いを冷静に再開することです。
 その重要な当事者である「ユーザー」の利益を代表して発言を行うべき立場にある主婦連合会やインターネットユーザー協会は、その主要なメンバーの方が、それぞれ私的録音録画小委員会に委員として参加されておりましたので、少なくとも2011年を以って私的録画補償金制度の機能を停止するなどという合意が存在しないことは、十二分に承知をされているはずです。権利者が法の下に与えられている正当な権利を事実上否定して、その上で話し合いを行おうという姿勢が、はたして正当なものといえるでしょうか?法が存在する以上、法は尊重されるべきであり、将来の制度に対する意見は見直しの議論の中で述べられるべきです。これらは明確に区別される必要があります。と主張しました。
 さらに、この問題の原点として、 ・ユーザーはコンテンツをできるだけ自由にコピーしたい。 ・しかし、その度が過ぎるとコンテンツビジネスが痛手を蒙る。 ・その問題を解決調整するために現在採用されているのが「補償金制度」だが、必ずしもうまく機能していない。  これらの前提を置いたうえで、 今後、この問題をどうやって解決していったらいいか? 解決のコンセンサスが得られるまでの間、どうするのか? との整理を行い、「もはや原点に立ち戻って、冷静な議論を再開するべき」と訴えました。

最後に、当面の論点として、以下の点をあげています。 1.私的録画補償金制度について ◆私的録画から映像の権利者が被る不利益を補償するのが私的録画補償金制度の趣旨であるが、その機能停止を主張するのであれば、それを云う前に、私的録画補償金制度に代わってその趣旨を実現し得る実効的な方法を提案するべきではないか? ◆ダビング10環境下で行われる複製について補償の必要がないと主張するのであれば、そこで行われる10回のコピーから映像の権利者がこうむる不利益が存在しないことを証明し得る、客観的なデータを示すべきではないか? 2.私的録音補償金制度について ◆メーカー等が主張する「コピー制限と補償の必要性」に照らせば、現在無制限に行われている音楽CDからのコピーにこそ「補償の必要性」が存在するといえるが、対象機器に関する制度と実態との乖離が進んだ結果、現在崩壊寸前にある私的録音補償金制度の見直しに応じないのは何故か? ◆私的録音補償金制度の見直しに応じないまま時間が経過すれば、それだけ権利者の不利益は累積拡大するが、そのことをどう考えるのか?